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引き継がれる意思

 

品格はどこから

先日、お客様から「このお店のアロハシャツは品があるよね」と言われました。嬉しいでね。15年くらい前から「品があるね」と、たまに言われます。でもね、もし品があるとすれば間違いなく僕ではないのですよ。それだけは間違いありません。

僕はどちらかというと、品は品でも下品の部類ですから、どう転んでも上品なジャンルの人間ではないのですよ。食事のマナーは悪いし、姿勢も猫背。挨拶も下手で、おまけに話し方も上手くない。さらに字も汚い。

そんな僕から品のあるシャツなんて造りようがないのに、たまに「品があるね」と言われます。最初はお客様からの気配りと受け止めていました。

ところが数年前、「品」に値するかどうかは僕自身では断言できませんが、もしPAIKAJIからお客様が「品」というインパクトを感じるのであれば、これじゃないかなという場面に遭遇しました。

 

 

終わりがない

沖縄には「中身汁」という伝統的な郷土料理があります。お正月やお盆(沖縄では旧暦を重視します)などに食べる料理です。豚のモツを使用したお吸い物に近い感じで、風味はモツと出汁が上手くぶつかり合い、そこにおろし生姜がいい香りを加えています。

この中身汁を僕の奥さんの母(義母)がいつも作ります。(今はおばあちゃんと呼んでいます。)

作る工程でかなり大変なのが、モツを信頼しているところから取り寄せて、脂や臭みを洗いながら、浸しながら、煮込みながら取り除く作業。本人に曰く、やり過ぎてもやらなさ過ぎてもダメみたい!いわゆる程よい感じがベストらしい(簡単に言っているけど難易度はかなり高いと思う)

通常はモツ以外にも、シイタケやコンニャクを入れますが、うちのおばあちゃんはモツしか使わない(残念ながら画像はありません)。おかげで僕にとっては「モツオンリー」な中身汁がスタンダードで、もちろん普通の中身汁も美味しいと思いますが、やっぱりおばあちゃんの作る中身汁は実にシンプルで上品な感じがします。(僕も多少は品を感じることはできますよ!笑)

この手間暇のかけ具合がPAIKAJIシャツの「品」なのかなぁ?と、毎年お正月くらいに思います。現役を引退して15年以上になるおばあちゃんの「品」はしっかりと宿っている。これぞ超一流の極みだと僕は勝手に決めつけています。

もちろん料理だけではなく、観葉植物の手入れの仕方、洗濯物のたたみ方(着るのがもったいないくらい)などは、きっちりとしていて、優雅でしなやかなセンスを感じます。

僕たちはどこまで創業者が宿した「品」を持続し、進化できるのかわかないのですが、これからも試行錯誤を繰り返して行くことでしょう。このジャンルには終わりはありませんね。

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